美白美容液2~POLA ホワイトショット
今回は POLA ホワイトショット CXS, SXS について調べてみました。
ポーラHPより
ポーラ ホワイトショット
配合されている成分で、HPに謳われている美白成分についてだけ記述しました。
製品裏面の全成分表示で入っている成分は分かりますが、配合されている量までは分かりませんので、それぞれの成分が効果があるほど含まれているのかは分かりませんが・・・
配合されていても 0.00005%しか入っていないなんてこともあります。研究ではもっと高い濃度で実験されているはずなので、これでは効かないですよね。
尤も、主剤といわれる、美白有効成分はきちんと効果を確認できた濃度で配合されていますが、その他の成分については効くほどの濃度で配合されていないことがほとんどです。
とりあえず、ホワイトショットの成分の作用についてみていきましょう。
ルシノール:チロシナーゼ活性抑制 (メラノサイトがメラニンを作るのを助ける酵素の活性抑制)
アセンヤク、サフラワー:ターンオーバー促進による、表皮からのメラニン排出
EGクリアエキス、YACエキス:糖化改善
m-シューター:メラノサイトの移動を促進 (シミ部のメラノサイトは移動が抑制され、放出されるメラニン量も通常の6倍量にもなる。)
m-Aクリアエキス:メラニンの過脂化抑制 (シミ部のメラニンは通常のメラニンとは異なり、体内の過酸化脂質によって変化し、より黒く、より巨大な過脂化メラニンになっているそう。)
ポーラの美白は作用点が面白いです。
他社の美白はメラニン生成メカニズムの有名どころ (チロシナーゼ抑制、ターンオーバーの促進、情報伝達物質の抑制) が主ですが、ポーラのものは糖化にもメラニン産生だけでなく、くすみの原因となる糖化の抑制や、ポーラ独自の研究によるメラノサイトの移動やメラニンの過脂化に着目した成分が入っています。
正直なところ、メラノサイトによるメラニン産生さえ起こらなければ、メラニンは沈着しないはずなので、他の小さなメカニズムのところを狙って美白する必要はないのですが、他の製品との差別化は上手ですね。
価格は少しお高めですが、これらの研究の成果が詰まっているという点で頷けるお値段ではあります。
あと、ポーラの製品はエキス名に個性があるのが特徴です。
他社の製品の裏面を見てみると、バラエキスやラズベリーエキスなど、エキスそのものの名前がついているものが多いと思います。
ポーラの製品って、m-シューターとか、m-Aクリアエキスとか、見ただけでは何が含まれているのかよく分からない成分が多いですよね。
何が含まれているのかは分かりませんが、ぱっと見た感じ何かをクリアにしてくれるんだとか、何かをやっつけてくれるのかな?というイメージはわく名前になっているのが特徴です。
こう見てみると、美白一つとっても各社で個性があって面白いですね。
これからも色々な製品をご紹介していけたらと思います。
夏でも白くありたい~日焼け止めの使い方
こんにちは。
私は日焼けしたくないので、一年中日焼け止めを使用しています。
ところで、日焼け止めの正しい使用量って知っていますか?
なんと 2mg/cm2 なんです。(日本化粧品工業連合会、通称 粧工連より)
とは言ってもあまりピンとこない量かもしれませんが、
もし乳液タイプの日焼け止めなら顔に塗れば真っ白になるくらいの量です。
なぜこんな量を塗布することが推奨されているかというと、
これくらいの量を塗布しないと安定して SPF PA の強さを測ることができないという
化粧品会社の都合なんです。
これより塗布量が少ないと、ムラになってしまうことが多いので、
だいたい普通の人が塗っている日焼け止めの量は
乳液タイプは推奨されている量の 1/5 程度
スプレータイプはなんと推奨の 1/10 程度!
ジェルタイプは推奨の 1/2 程度だったと思います。
なぜジェルタイプはたくさん塗布できているかというと、
透明でさっぱりした使い心地なので、皆さん塗り広げやすいみたいです。
いくら高いSPF PA の商品を使っていても、それはかなり分厚く塗ったときの値なので
しっかり塗らないことには効果はありません。
スプレータイプで推奨されている量をきっちり塗ろうと思うと
凍傷になるんじゃないかと思うので、あれは朝しっかり塗った後にお昼に塗りなおしなどで使用する程度に控えておいた方がよいのではないかと個人的には思います。
私は腕などに使用するのは焼けそうで嫌なので、頭皮にだけ使っています。
家にいても窓を通り抜けて紫外線は降り注いでいますし、
外で日傘をさしていても、アスファルトからの照り返しで焼けてしまうことがあります。
日焼けどめを塗り、UV グローブを着用し、日傘をさすのが最強です。
私はこれで毎年ほとんど焼けません。
でも、たまに疑問に思うのは、外で完全防備の方いらっしゃいますよね。
帽子被って、マスクして、サングラスして、手袋して、日傘さして・・・というような方。
夏場の女性でなければ完全に不審者ですが、あれは一体どこで綺麗でいるがためにあそこまで完全防備なんでしょう。
どこか室内に入ればすべて外すとか、家で綺麗でいたいためなんでしょうか?
それとも将来シミができないようにするため?
いずれにしても、紫外線防御ばかりで、外で美しくいることを忘れているのは少し違う気もします。
よく巷で聞く、くもりの日は晴れの日よりも焼けやすいという噂。
あれは嘘です。
勿論晴れの日の方が紫外線量は多いです。
なぜこんなデマが蔓延しているのかといえば、くもりの日は晴れの日ほど紫外線対策が万全の方が少ないため、焼けてしまったことから。と言われております。
白肌がもてはやされる時代ですし、将来シミができては困りますよね。
老化の8割は紫外線によるものだとも言われておりますので、紫外線対策を万全にして夏を楽しく乗り切ってください。
コラーゲンは似非科学?
コラーゲンには色々な種類があります。
人の体を作っているコラーゲンには現在分かっているだけで19もの型が存在し、それぞれⅠ型コラーゲン、Ⅱ型コラーゲンなどと名前がつけられています。
ちなみに体内に最も多いのがⅠ型コラーゲン。
皮膚の表皮と真皮を繋いでいる基底膜というところに多いのがⅣ型コラーゲンです。
赤ちゃんにはⅣ型コラーゲンがとても多いと言われています。
ここで少し、最近驚いた出来事。
某有名エステで「生コラーゲンって知ってますか?」と聞かれ、とりあえず分からないフリをして聞いてみると、
「コラーゲンには3種類あるんです」
引き続いてどんなものがあるのか尋ねてみると、
「生コラーゲン、ゼラチンのような普通のコラーゲン、加水分解コラーゲンの3つです」と説明いただいて驚きました。そんな分類の仕方あるんですね。コラーゲンの分解の段階に分けただけです。
そもそも生コラーゲンなんてものは科学的に存在せず、おそらく人体に近いコラーゲンのことをそう呼んでいるだけの話。
あまり皮膚について詳しくない人向けに簡単に分かりやすく説明してくださるなーと感動する美容部員さんもいらっしゃいますが、似非科学を自信満々に話される方に出会うと少し驚きます。
その後もコラーゲン浸透促進技術についての話がめちゃくちゃだったりでもうそのエステには行くまいと感じました。
話はそれましたが、
よく聞くのが、コラーゲンって飲んでも消化されて普通のアミノ酸になるから意味ないんでしょ?という疑問。
アミノコラーゲンHPより
実は、きちんと肌のコラーゲンに効いていたんです。
確かにコラーゲンも単なるタンパク質なので分解されればアミノ酸になり、またコラーゲンになるのかといわれればほとんどが違う用途に使われる運命になると思います。
(しかし、コラーゲンを構成するアミノ酸は少し特殊なため、コラーゲンを摂取すれば、またコラーゲンが再構築される可能性は高いとはいえるかもしれません。)
医者の間でも効く効かないと諸説ありましたが、京大の教授が以下の論文を発表されていました。
コラーゲンは三重らせん構造のタンパク質で加熱すると構造が壊れてゼラチンになります。ゼラチンが酵素で分解されてできるのがペプチドです。代表的なコラーゲン特有のペプチドには、アミノ酸のプロリンとヒドロキシプロリンが結合したプロリル・ヒドロキシプロリン(Pro-Hyp)があります。
従来の栄養学では、ペプチドはアミノ酸になって吸収されるとされていました。しかし、我々が十数年前に行った試験で、コラーゲンペプチドを飲むと、ペプチドのままかなりの量が3時間たっても循環系を移動していることが明らかになりました(図)。食べても効かないと言われていたペプチドが、血液中で活性を持つ可能性が出てきたのです。
コラーゲンを構成する線維芽細胞は、けがをすると傷口に集まり、コラーゲンペプチドを合成して傷を塞ぎます。そこにPro-Hypを入れると、線維芽細胞が2倍ぐらいに増えます。
また、コラーゲンに結合している線維芽細胞はほとんど増殖しないのですが、Pro-Hypを入れると増殖が始まります。実際にコラーゲンペプチドを食べると、増殖が促進することも確かめました。さらにマウスの実験で傷が治っているとき、その組織にPro-Hypができることがわかりました。これは炎症部位でも同じようなことが起きています。
線維芽細胞は、創傷治癒部位ではコラーゲンペプチドを取り込み、増殖促進が生じますが、分裂を繰り返すとその能力を失い過剰な増殖が抑制されこともわかってきました。
食事由来のコラーゲンペプチドについても、生命現象のなかで繊維芽細胞等に働きかけ、組織の再生・修復、代謝の過程で重要な役割を果たしていると考えることができると思います。
以上。
簡単に言うと、コラーゲンを飲むと、直接コラーゲンになるわけではないけれど、めぐりめぐってコラーゲンが作られるというわけです。
私も2年ほど前より、コラーゲンを毎日飲んでいます。飲み始めの頃は乾燥感がなくなりましたが、今ではずっと飲んでいるため変化は感じません。
しかし、特に大きな老化の兆候がみられないというのは、コラーゲンのおかげなのかなと思っています。
少し前までは似非科学のように言われていましたが、コラーゲンについてはきちんとしたエビデンスがとられ、お医者様も治療に使用するほどです。
(余談:似非科学といえば、マイナスイオンは似非科学の最たるものだと思っていますが、
マイナスイオンドライヤーを使うと髪がさらさらになります。
何らかの効果があるのでしょうか。。)
高価な化粧品を使い、栄養管理、睡眠、運動などに気を遣っても何だか肌の調子が悪いときには、最後の砦としてコラーゲンを飲んでみてはいかがでしょうか。
美白美容液~資生堂 メラノフォーカスV
市販されている美白化粧品の主なものについて成分とその働きについて調べてみました。
そもそも美白化粧品って何?
薬事法で認可されている効能である「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」または「日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ」と書いてあります。
基本的にはできてしまったシミに効果のあるものではなく、できる前にケアして防ぐものなんですね。
少し前までは美白メカニズムのほんの一部分にしか効果のなかった美白美容液ですが、近年はあらゆる角度からシミの元に対してアプローチを仕掛け、面白い作用点を持つ美白美容液がとても多いです。
また、近年ではメインのメカニズムについてはほぼ明らかになってきているため、各社差別化するためにメカニズムの細かい部分にアプローチを始めたりしていて、個性が見られます。
では、ご紹介していきます。
資生堂 HAKU
資生堂HPより
美白に効果があると各社 HP で謳っている部分のみに言及します。
トラネキサム酸:メラノサイトに対する「メラニン作れ!」の指令を止める働き
4MSK:メラノサイトの働きを助けるチロシナーゼの働きを抑制します
白蓮果:ターンオーバー促進で表皮にあるシミの元を取り除きます
アンダーシールダー:ホワイトリリーと塩酸グルコサミンという成分を複合した成分
真皮細胞から出される「メラニン作れ!」という指令をブロックするため、表皮と真皮の間の基底膜の形成を助けます。
トルメンチラエキス:シミの肌内部では無駄な血管がたくさんできていると報告がありますが、その無駄な血管を増やす因子の量を減少させます
イチヤクソウエキス:血管の細胞がメラノサイトに「メラニン作れ!」と指令を出すのを抑制する働きがあります
ざっとメインの美白成分について調べると以上でした。
化粧品の全成分は公開されていても、それがどれだけの量配合されているのかは内部の人しか分からないため、効果があるほど配合されているのかは分かりません。
しかし、個人的には価格、効果の点でバランスがよく、今期発売されている美白美容液の中では一番おススメです。私も購入して毎日使用しています。
使用感はさっぱりとしていて、少しひんやり感があります。
メントールなどは入っていないため、いずれかの成分の作用なんだと思います。
同じく資生堂の高級ラインであるクレドポー セラムコンサントレエクレルシサンについても調べました。
こちらは「美肌は、ダイヤモンドへ」というキャッチフレーズがついています。
正直なところ、入っている美白成分についてはそれほど差がないのではないかというのが私個人の見解です。
5000円ほどの価格の差はおそらく、使用感や香り、容器など直接的な美白効果とは異なるところにあるのではないかと思っています。クレドポーの商品は主に百貨店でカウンセリング等を受けて購入することが多いですし、それらの費用と思えば特別高いというわけでもなさそうです。
美白剤の配合量までが異なるのかは分かりませんが、もし配合量が違わないのであれば、美白効果としてはHAKUもクレドポーの美容液もそれほど違いはないと思います。
それぞれの美容液で作用点も価格も異なるので、吟味して色々使ってみて下さいね。
シミのできるメカニズム
シミやくすみの原因って何があるのでしょうか?
色素沈着いわゆるシミの原因としては、メラニンが関わっています。
くすみの原因となっているものは要因がたくさんあり、
血流の低下による血色の悪さ、
角層が分厚くなることによる透明感の低下、
タンパク質の変性 (糖化、カルボニル化を含む) による黄味の増加
が原因となっています。
それでは、今回はメラニンの関わるシミのできかたについてご紹介します。
まず、肌の構造。
https://blogs.yahoo.co.jp/shintarobmw0102/3944059.htmlから転載
肌の表面から、角層、表皮、基底膜、真皮と分かれています。
角層は約 0.2 mm, 真皮は約 2 mm と言われています。
皮膚ってとても薄いんです。
紫外線は肌の表面に降り注ぎ、表皮の細胞で炎症反応が起きます。
その炎症によって、表皮細胞から「メラニンを作れ!」という指令がメラノサイト (色素細胞) に与えられます。
すると、メラノサイトがシミの元になるメラニンを作るのを手助けするチロシナーゼという酵素が活性化します。
そして、メラノサイトがメラニンを作り出し、メラニンが表皮細胞に受け渡されて、表皮が黒くなるのが一般的なシミのできかたです。
肌が健康であれば、表皮の細胞はターンオーバーによって新しく生まれ変わるので、シミの元のメラニンを含んだ表皮細胞は取り除かれます。
しかし、老化や何らかの要因によってターンオーバーが上手くいかなかった場合、シミとなって肌に残り続けてしまいます。
また、メラニンが表皮の方だけでなく、真皮細胞 (線維芽細胞) に受け渡され、真皮にシミができてしまうことや、真皮細胞がメラニン産生因子を放出してシミの原因を作り出すこともあります。
実は真皮の方にシミができると厄介です。
表皮にはターンオーバーという機構がありますが、真皮の方は表皮ほどターンオーバーが活発ではなく、ずっと肌に残り続ける永遠のシミになってしまいます。
では、できてしまったシミはどうすればよいのか?
これについては次回、市販されている美白化粧品比較でお話ししようと思います。