美容生活

某化粧品会社研究員が美容についてご紹介します。個人の見解なども含んでいるため、お気楽な気持ちで読んでいただけますと嬉しいです。

コラーゲンは似非科学?

コラーゲンには色々な種類があります。

人の体を作っているコラーゲンには現在分かっているだけで19もの型が存在し、それぞれⅠ型コラーゲン、Ⅱ型コラーゲンなどと名前がつけられています。

ちなみに体内に最も多いのがⅠ型コラーゲン。

皮膚の表皮と真皮を繋いでいる基底膜というところに多いのがⅣ型コラーゲンです。

赤ちゃんにはⅣ型コラーゲンがとても多いと言われています。

 

ここで少し、最近驚いた出来事。

某有名エステで「生コラーゲンって知ってますか?」と聞かれ、とりあえず分からないフリをして聞いてみると、

「コラーゲンには3種類あるんです」

引き続いてどんなものがあるのか尋ねてみると、

生コラーゲン、ゼラチンのような普通のコラーゲン、加水分解コラーゲンの3つです」と説明いただいて驚きました。そんな分類の仕方あるんですね。コラーゲンの分解の段階に分けただけです。

そもそも生コラーゲンなんてものは科学的に存在せず、おそらく人体に近いコラーゲンのことをそう呼んでいるだけの話。

あまり皮膚について詳しくない人向けに簡単に分かりやすく説明してくださるなーと感動する美容部員さんもいらっしゃいますが、似非科学を自信満々に話される方に出会うと少し驚きます。

その後もコラーゲン浸透促進技術についての話がめちゃくちゃだったりでもうそのエステには行くまいと感じました。

 

話はそれましたが、

よく聞くのが、コラーゲンって飲んでも消化されて普通のアミノ酸になるから意味ないんでしょ?という疑問。

 

 

f:id:hanayax:20180704200358p:plainアミノコラーゲンHPより

 

 

実は、きちんと肌のコラーゲンに効いていたんです。

 

確かにコラーゲンも単なるタンパク質なので分解されればアミノ酸になり、またコラーゲンになるのかといわれればほとんどが違う用途に使われる運命になると思います。

(しかし、コラーゲンを構成するアミノ酸は少し特殊なため、コラーゲンを摂取すれば、またコラーゲンが再構築される可能性は高いとはいえるかもしれません。)

 

医者の間でも効く効かないと諸説ありましたが、京大の教授が以下の論文を発表されていました。

 

コラーゲンは三重らせん構造のタンパク質で加熱すると構造が壊れてゼラチンになります。ゼラチンが酵素で分解されてできるのがペプチドです。代表的なコラーゲン特有のペプチドには、アミノ酸プロリンとヒドロキシプロリンが結合したプロリル・ヒドロキシプロリン(Pro-Hyp)があります。
 従来の栄養学では、ペプチドはアミノ酸になって吸収されるとされていました。しかし、我々が十数年前に行った試験で、コラーゲンペプチドを飲むと、ペプチドのままかなりの量が3時間たっても循環系を移動していることが明らかになりました()。食べても効かないと言われていたペプチドが、血液中で活性を持つ可能性が出てきたのです。

コラーゲンを構成する線維芽細胞は、けがをすると傷口に集まり、コラーゲンペプチドを合成して傷を塞ぎます。そこにPro-Hypを入れると、線維芽細胞が2倍ぐらいに増えます。
 また、コラーゲンに結合している線維芽細胞はほとんど増殖しないのですが、Pro-Hypを入れると増殖が始まります。実際にコラーゲンペプチドを食べると、増殖が促進することも確かめました。さらにマウスの実験で傷が治っているとき、その組織にPro-Hypができることがわかりました。これは炎症部位でも同じようなことが起きています。
 線維芽細胞は、創傷治癒部位ではコラーゲンペプチドを取り込み、増殖促進が生じますが、分裂を繰り返すとその能力を失い過剰な増殖が抑制されこともわかってきました。
 食事由来のコラーゲンペプチドについても、生命現象のなかで繊維芽細胞等に働きかけ、組織の再生・修復、代謝の過程で重要な役割を果たしていると考えることができると思います。

以上。

 

簡単に言うと、コラーゲンを飲むと、直接コラーゲンになるわけではないけれど、めぐりめぐってコラーゲンが作られるというわけです。

 

私も2年ほど前より、コラーゲンを毎日飲んでいます。飲み始めの頃は乾燥感がなくなりましたが、今ではずっと飲んでいるため変化は感じません。

しかし、特に大きな老化の兆候がみられないというのは、コラーゲンのおかげなのかなと思っています。

少し前までは似非科学のように言われていましたが、コラーゲンについてはきちんとしたエビデンスがとられ、お医者様も治療に使用するほどです。

(余談:似非科学といえば、マイナスイオン似非科学の最たるものだと思っていますが、

マイナスイオンドライヤーを使うと髪がさらさらになります。

何らかの効果があるのでしょうか。。)

高価な化粧品を使い、栄養管理、睡眠、運動などに気を遣っても何だか肌の調子が悪いときには、最後の砦としてコラーゲンを飲んでみてはいかがでしょうか。